徹底が叫ばれる予防医学への取り組み

生活習慣病は、もはや日本の国民病とも言える疾患です。
患者数は高齢人口の増加に伴って着実に増えており、今後もある程度増え続けると考えられています。
生活習慣病は生活習慣が発症に関係している他、高齢化なども原因とされている疾患です。
長寿国日本ならではの悩みとも言えそうですが、この生活習慣病の増加傾向は決して看過できません。
生活習慣病によって命を落とすことはほぼありませんが、生活習慣病が他の重篤な疾患の引き金になることは珍しくありません。

例えば、高血圧は大動脈解離やクモ膜下出血などの原因になる動脈硬化を引き起こすリスクになり、心臓に負荷もかけるので、種々の循環器疾患の原因になります。
糖尿病も同じように動脈硬化の原因になるほか、網膜症を引き起こすことで失明したり、末梢神経を障害することで痺れや感覚鈍麻の原因になります。
命を落とす疾患の引き金になるだけでなく、生活する上での不便を引き起こす可能性があるのが、生活習慣病の厄介な点です。

そこで注目されているのが、予防医学という分野です。
生活習慣病を発症する前の、身体にまだ変化に対応する能力が残っているうちに治療を開始してしまおうとする治療分野です。
一度発症してしまうと元の状態に戻るのは難しいですが、致命的な変化が起こる前に対策を始めれば、動脈硬化などもう戻れないところまで病状が進むことを防ぐことができます。
そのためで、現在は国を挙げて生活習慣病の発症予防に力を入れています。
生活習慣病を防ぎたいのなら、食生活を少しずつ改善するといった程度の対策からで良いので、すぐに始めてみるべきです。